第2290回

第2290回例会(2023年4月17日)

「ロータリー情報」
竹原 巖 会員

 
 今日の「ロータリー情報」は、ロータリーソングについてです。シカゴRCの第3代会長に就任したポール・ハリスは、従来の親睦と相互扶助のクラブに奉仕活動を提唱しました。ところが、従来の親睦と相互扶助だけのクラブ内に、異質の奉仕をポールは言い始めたので、会員の親睦が崩壊し出席率の低下など、クラブ内は大荒れに荒れたようです。「この状態があと一月も続けば、このクラブも終わりになってしまう」と思った、当時の親睦委員長のドクター・ネスが、奉仕の話でクラブ内の雰囲気がおかしくなったときに、ハリー・ラグラスに歌を唄って欲しいと頼んだそうであります。この要請に応じて、ポール・ハリスが「世のため、人のため」をやりだして、皆が嫌な顔をしだすとハリーが「諸君、難しい話はそれぐらいにして歌でも唄おう」と言って歌唱指導をしたそうです。これがロータリーソングの始まりでした。初期のロータリアンは、歌を唄うことにより童心と友情を取り戻し、奉仕の議論から解放されて、心と心を通わせる事に成功したのです。その頃はロータリー独自の歌など無かったわけですから、当時、流行っていた歌や民謡など、誰もが知っていたような歌を唄っていたようです。
 このお話は2015年のロータリー情報でお伝えしましたが、今日は日本のロータリーソングについてです。日本のロータリークラブも慣習に従い英語でロータリーソングを唄っていました。しかし、1930年代軍部の台頭が著しく、ロータリークラブはアメリカに本部置き、スパイ活動を行っている。ロータリークラブの実態はフリーメーソンなどと言われ弾圧され始めました。そこで、それまで英語で唄っていたロータリーソングも日本語で唄おうということになり、国内中から募集して、1935年の京都地区大会で入選作4編が発表されました。その中の「奉仕の理想」や「我等の生業」が今でも歌い継がれているわけです。そのような時代背景から生まれたロータリーソングの歌詞だと理解すれば、興味が深まると思います。
 「奉仕の理想」の奉仕の理想に集いし友よ、御国に捧げん我等の生業・・・ですが、私は地域社会のみならず国際奉仕や世界平和を目指している現在のロータリークラブであれば、「御国に捧げん」でなく「世界に捧げん」に変えても良いのではないかと、歌うたびに感じていることをお伝えして、本日のロータリー情報といたします。