第2367回例会
第2367回例会(2025年6月2日)
「日本とマレーシア文化の違い」
米山記念奨学生 パン スー イン さん
皆様、おはようございます。
本日貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。この会場にいらっしゃる様々な背景、分野の皆様にプレゼンのテーマは何にしようかなと結構悩んでいました。それと、只今の皆様はどのような奨学生をサポートしているのか、どのような生活をしているのか、マレーシアはどのような国なのかこういうことを話した方がいいと思って、今日のテーマにしました。それでは、「日本とマレーシア文化の違い」についてお話しします。この発表を通じて、異文化への理解と交流が深まれば嬉しいです。
最初に、なぜ文化の違いを知ることが大切なのかについて簡単にお話しします。文化とは、私たちの価値観、行動、言葉遣い、食べ物、考え方などに大きな影響をあたえます。特に、日本とマレーシアのように歴史や宗教、民族の構成が異なる国同士では、その違いはとても興味深く、時にはおどろきをもたらすこともあります。
今日は、「宗教と価値観」「食文化」「コミュニケーション」「時間と働き方」「季節」の五つの観点から比較していきます。
まずは宗教についてです。日本では、神道や仏教が伝統的な宗教ですが、日常生活では宗教を強く意識する人は少ないです。例えば、お正月には神社に初詣に行きますが、それが宗教行為であるという感覚がない人も多いです。一方、マレーシアはイスラム教を国教とする国で、マレー系マレーシア人の多くはムスリムです。イスラム教では、1日5回の礼拝、ラマダン期間中(新年)の断食、食事や服装に関するルールなどがあり、宗教は生活の中心にあります。また、マレーシアには中華系やインド系など多民族が暮らしており、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教なども共存しています。このような多様性を尊重する価値観も大きな特徴です。
次に食文化の違いです。日本では、米を主食とし、魚や野菜、味噌などの発酵食品を多く使います。特に寿司、天ぷら、味噌汁など日本を代表する料理として世界的にも知られています。また、食事のマナーも重視されており、箸の使い方や、食べながら音を立てないなど、細かいルールがあります。一方、マレーシアでは多民族国家ならでは食文化が見られます。例えば、マレー系料理にはナシレマやサテー、中華系ではチキンライスや飲茶、インド系ではロティチャナイやカレーが一般的です。特に重要なのが「ハラル」というイスラム教の食のルールで、豚肉やアルコールは禁止されています。さらに、手で食べる文化もあります。特にインド系の家庭では、右手で食事を取ることが一般的です。これも文化の違いとして受け入れることが大切です。
三つ目は、コミュニケーションの違いです。日本では、相手に迷惑をかけないようにとても気を使います。はっきり言うことよりも、「空気を読む」ことが重視され、間接的な表現や曖昧な言い方がよく使われます。また、敬語や礼儀がとても重要で、年齢や立場によって言葉遣いが変わります。それに対して、マレーシアではもっとオープンでカジュアルなコミュニケーションスタイルが多いです。笑顔で挨拶したり、知らない人と気さくに話す姿がよけ見られます。英語が広く使われていることもあり、外国人とも比較的話しやすい雰囲気です。ちなみに、マレーシアでは小学校から複数言語での授業が行われます。マレーシアの小学生は、早くから3言語以上を学ぶ環境にあります。例えば、マレー語が国語として必修ですが、中華系の子供は中国語、インド系の子供はタミル語を学びます。さらに英語も日常的に使われるため、自然と多言語を使いこなす力が育ちます。これは日本の単一言語環境と大きく異なる点です。小学生の時間割を例として共有します。
次は、時間と働き方の違いです。日本では「時間を守る」ことが非常に重視され、約束の時間に遅れるのは失礼だと考えられています。また、会社では集団の平和を大切にし、長時間働くことが当たり前という雰囲気があります。一方、マレーシアでは時間に対する感覚が比較的ゆるやかです。5分や10分の遅れはあまり問題にされないこともあります。また、家族や宗教行事を大切にし、プライベートの時間をしっかり確保する傾向があります。仕事よりも人生のバランスを重視するという価値観が強いです。
最後に、季節とそれに関わる文化の違いについてご紹介します。日本は四季がはっきりしていて、季節ごとに異なる風景や行事があります。例えば、春はお花見、夏は花火大会、秋は紅葉狩り、冬はお正月や雪祭りなど、季節ごとの楽しみが豊富です。また、季節に合わせた食べ物や衣替えなど、生活のリズムも季節に大きく左右されます。
一方、マレーシアは熱帯気候で、基本的には「雨季」と「乾季」の二つの季節に分けられます。一年を通して気温は高く、湿度も高いため、四季による生活の変化はあまりありません。その代わり、マレーシアでは宗教や民族ごとの祝祭日が季節感に代わる文化的な区切りになります。例えば、イスラム教の「ハリラヤ・プアサ」(断食明けの祝日)や中華系の「春節しゅんせつ(旧正月)」、ヒンドゥー教の「ディーパバリ」などです。
ここまで、日本とマレーシアの文化の違いを五つの視点から見てきました。宗教、食文化、コミュニケーション、働き方、季節――それぞれに大きな違いがありましたが、共通する点もあります。
例えば、どちらの国でも、相手を思いやる気持ちがあります。国や文化が違っても、お互いを理解しようとしたり、「そういう考え方もあるんだな」と受け入れたりすることが大切です。それが異文化理解の第一歩であり、国際交流の土台になると私は思います。
以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。
もし宜しければ、是非是非マレーシアまでお越しください。