第2363回例会

第2363回例会(2025年4月21日)

「環境月間にちなんで」
川内 玄太 会員・勝木 美奈子 会員

環境月間ということで、家づくりを生業としている、藤城建設の川内と勝木が、工務店が考える「環境」について、今回は「木」と「電気」にテーマを絞ってお話ししたいと思います。まず、なぜ藤城建設が木造住宅にこだわるかというと、住宅に木材を使用することで、木が成長過程で吸収した二酸化炭素が、木に固着され、大気中のCO2を削減する効果があることで、木造住宅を建てることは地球温暖化防止に貢献するからです。一般的な住宅の炭素固定量は3~4t-cと言われており、藤城建設では年間100棟近くの住宅を建設することで、道民の4000~5000人が1年間に呼吸する放出量を賄っていることになります。世界では木造もどんどん進化しており、ビル化が進んでます。東京の日本橋では国内最大の18階建ての木造ビルが2026年に完成予定です。アメリカのミルウォーキーでは55階建てが建設されるとのことです。近くでは札幌大通公園のテレビ塔横にあるザロイヤルパークキャンパスのホテルが当時は国内初としてニュースにもなりました。

画像でも見えるように高層なのに木造が見えるというのは珍しい光景かと思います。またそれらの木材が日本産より輸入が多くなっている問題もあります。日本は森林保有率では先進国の中でも第三位という資源を持ちながら、北海道の人口林のうち60%が伐採の時期にあるのに、日本国内で使われている木材の70%が輸入に頼っている現状があります。日本の木、北海道の木を使うことが求められています。

暮らしに欠かせない電気についてお話しさせていただきます。
まず、家庭から排出される二酸化炭素の約半分を占める47%が電気からと言われています。その電気は化石燃料を燃焼させて発電し、エネルギーの一部を失う送電ロスを経て家庭に届くため、発電所では約2.7倍の燃焼エネルギーが必要だと言われています。
そんな電気による二酸化炭素排出量を減らしていくために、私たちができることは節電すること、発電すること、この二つが挙げられると思います。
節電というと我慢することをイメージされると思いますが、藤城建設では燃費の良い家ということで、光熱費を抑えた家が節電に繋がると考えます。
燃費の良い家づくりについて今回は簡単に言うと、冬の場合は外の冷気を遮断し、少しのエネルギーで温めた空気を家の中に保ち、換気の時も家の暖かさを無駄にしない。 そして、自然エネルギーである太陽の光、暖かさを最大限利用する家づくりに取り組んでいます。
発電については、自宅で使う分は自宅で発電するという考えのもと、今家庭用として一般に普及流通しているものの中では太陽光パネル、太陽光発電設備がベストだと思います。 家で発電して家で使えば送電ロスの問題もクリアします。

藤城建設では2020年に屋根と外壁面に太陽光パネルを設置し、蓄電池や電気自動車への充電、家への給電が可能なV2Hを取り入れたモデルハウスを完成させました。こちらのモデルハウスでは、北海道庁や東大教授の方々と協力しながら、家中どこでも暖かいこと、どの部屋も室温が安定していることなどのエビデンスを集めることにより、 国土交通省が後援する第1回SDGs住宅賞にて栄誉ある賞をいただくことができました。そして2023年には、誰でも手が届く価格帯の住宅をということで、多雪地域でも冬に発電する家が完成し、日本エコハウス大賞にて2つの大きな賞を受賞することができました。
こちらのおうちに実際に住んでいるお客様からは、電気代の高騰でびくびくしていましたが、とんでもなく安くなってびっくりしました。エアコンも一日中つけっぱなしでどの部屋もずっと快適です、といったメッセージをいただきました。
 のちに、こちらのお客様がブログを執筆されたのですが、道外出身のお客様がオール電化の賃貸で何も気にせずに生活していたところ、初めての冬の電気代が8万9000円で腰が砕けたと。 そこから暖房禁止令を発令して、家の中でもオリーブオイルが凍るような寒さの中で家族を生活させたことに対して、「ごめんね」と謝罪し、 タイムマシンがあったらあの頃の妻に「何年かしたら暖かい家に引っ越せるからね」と声を掛けてあげたいと記していました。こちらのお客様が新築を建てて1年が過ぎ、高熱費データをまとめて見ると、売電を差し引いた電気代負担額が年間11万円という結果になりました。更にお客様はPHEVのアウトランダーに乗っていたため、この11万円の中には電気自動車の充電代も含まれています。

昨年3月の一例ですが、電気の使用量、発電量のデータから算出される二酸化炭素の排出量は293キロ、削減量は220キロでした。パリ協定における日本の温室効果ガス削減目標である、2030年度までに46%削減というところも、一家庭おいて既に達成しているような状況です。
とはいえ、2023年の北海道における総住宅数は288万8500戸に対して、2024年の新設住宅は2万8250戸ということで、新築は約1%しかありません。なので、新築住宅だけではなく、今ある住宅も環境にやさしい住宅にしていかなければなりません。
なので、新築はある程度環境に配慮した、永く住める家を提供できだとしても、問題なのは既存住宅です。今までは壊して建てるの繰り返し、スクラップ&ビルド大国ニッポンだったので、古くなった家を出来る限り残して蘇らせる「ウチリノベ」というリノベーションブランドをスタートしたのが今年の2月です。築30年以上の家でも性能を高め、自ら発電する家に住み、デザイン性の高い心地よい住まいで、光熱費も最小限、環境に配慮された家が、新築よりも安く手にすることが出来ます。

藤城建設のミッションは「未来の子供たちに、より良い環境を残す仕事」です。新築でもリノベでも北海道の気候に適した、北海道らしい性能や素材のデザインと、北海道にフィットする太陽光発電などの創エネとサスティナブルな考え方が掛け合わされれば、「人にやさしい・家計にやさしい・環境にやさしい」の3やさしい、北海道らしいデザインとエネルギーが両立した「北海道エコハウス」という定義の、新しい価値を持ったスタンダードな住まいが日本を豊かにすると思います。