第2357回例会
第2357回例会(2025年3月3日)
「水と衛生月間にちなんで」
鈴木 隆也 会員 卓話
1.本日は、ロータリーの重点分野の一つである『水と衛生』が主たるテーマです。真室委員長からはそこはあまり考えなくて良いということでしたが、折角なので自分なりに解釈し、お話しさせて頂きます。どうぞ宜しくお願いします。
・皆様は一口に「水と衛生」と言ってもどのように感じておられますでしょうか?
日本に生まれ日本人と生きていく上で綺麗で清潔な水は欠かせませんが、この国はありがたい事に先輩方先人達が未来を見据えて上下水道整備などをしてきた事で水道の蛇口を撚れば水が飲めますし、公衆トイレもどこにでもありますし、劣悪な衛生環境などは普段目にすることは滅多にないと思います。
しかしながら世界の国々では途上国と呼ばれる国の地方都市などでは、日常からボウフラがいるような水を飲み、また衛生的に目を覆いたくなるようなトイレや生活環境などで過ごす人々がいるのもまた事実です。
私自身はテレビのドキュメンタリーなどで見る程度の知識しかありませんでしたが、ロータリークラブに入会してさまざまな活動をする上で、タイやカンボジアで行っている支援活動を検証するツアーに同行させて頂く機会があったり、またどのように現地のロータリークラブと協力して活動をしているのかを体験することもできました。北クラブの皆様も、これまでにたくさんの会員がご参加されておりますが、まだ参加が叶わなかった会員の皆様におかれましては、機会があれば是非とも活動に参加され、体験することこで持続可能な支援活動の輪を広げていけると確信しております。
私自身、2020年から始まったコロナ禍のおかげで大打撃をうけた業種の一つでもありますのでここ数年間は参加が叶わなかった事が残念でなりません。この検証ツアーが今後も続いていくのであれば、近いうちにまた参加できればと思っていますので、その時はどうぞツアー参加ベテランの皆さんと共に検証したいと思っています。
先月発生した埼玉八潮市の下水道菅の老朽化問題をご存知と思いますが、トラックが吸い込まれ未だに救出できないという事故があり、数年前までは日本ではこんな事故など起こり得ない事と思っていました。
アジアのどこか発展途上国で見るニュースのような事がこの国で起こっているということを目の当たりにした時に、皆さんも少なからず衝撃を受けたのではないでしょうか。
日本の少子高齢化問題なども地域の財政などを圧迫し、やるべきインフラ整備が後回しになっていると感じております。
さて、人間が1日に必要な水の摂取量はどのくらいかご存じでしょうか?体重でいうと1キロあたり35mlと言われておりますので、これをご自身の体重と掛け合わせたものが必要な量となるようで、私でいうと体重は約73キロですから1日に2.6リットル必要ということになります。
もちろんこれは生活スタイルや環境によって変わると思いますが、目安としてはそのくらいと言われています。この量だけ見るとそんなに水分って摂っているかな?と思いますよね。私も思います。しかし意外と摂取しているそうです。
このことから分かるように、生きるために必要な水が十分に摂れない、または劣悪な環境ゆえに摂れないという人々を救うためにもこの「水と衛生」という重点分野がテーマにあるんだと理解しております。
<安全な飲料水へのアクセス不足>
現状:
・世界では約20億人が安全な飲料水を利用できていません。(WHO/UNICEF, 2022)
・特にサハラ以南(サブサハラ)のアフリカや一部の南アジアや東南アジアでは、安全な水へのアクセスが限られています。
影響:
・汚染された水を飲むことで、下痢やコレラ、赤痢などの水媒介性疾患が蔓延し、特に子どもたちの健康が脅かされています。
・毎年約80万人が不衛生な水や衛生環境が原因で命を落としています。
<衛生の問題の現状>
衛生問題の深刻さ:
・適切なトイレや手洗い施設がないことで、感染症が蔓延し、特に子どもたちの健康が脅かされています。
自分が住んでいる場所において、トイレが使えなかったり手洗い施設がなかったりなんて想像もつきませんよね!こういった事で一番影響を受けるのが小さな子どもたちだという事を理解しておかなければならないと思います。
<ロータリーの取り組み>
ロータリーの重点分野:
・ロータリーは『水と衛生』を重点分野の一つとし、世界中で持続可能なプロジェクトを推進しています。
具体的なプロジェクト例:
・北クラブの皆様はご承知だとは思いますが、出村ガバナーを筆頭に先ほど述べましたタイでの支援事業があります。これは現地企業と共同で学校に浄水器を設置し、安全で綺麗な水を作りだし、生活できるようにすること、合わせて手洗い所も設置し、石鹸を使って手を洗うことを習慣にしてもらうためのプロジェクトも実施しています。また、それがあることで新たな地域コミュニティも生まれていることも素晴らしい事だと思います。これらのプロジェクトは、地域住民の生活を根本から変え、健康と経済の向上に貢献していますし、ロータリー財団の支援を通じて多くのクラブが国際的なプロジェクトに参加し、資金や技術を提供しています。
<私たちにできること>
地域での活動:
・私たちのクラブでも、地元の水と衛生の問題に目を向けることができます。例えば、学校や公共施設での手洗い施設の整備、衛生教育の実施などが考えられます。
国際的な支援:
・国際プロジェクトへの参加や寄付を通じて、世界の水と衛生の問題に貢献できます。
啓発活動:
・地域社会に対して、水と衛生の重要性を伝える啓発活動を行うことも重要です。
<まとめとアクション>
・水と衛生の問題は、健康や教育、経済に直結する重要な課題です。ロータリーはこの分野で大きな役割を果たすことができます。
・私たち一人ひとりが、地域や世界の水と衛生の問題に関心を持ち、行動を起こすことが大切です。今日からできることを考え、実践していきましょう。
世界の水問題は、健康や経済、環境に深刻な影響を与える重要な課題です。しかし、ロータリー活動含め国際的な協力と地域レベルでの取り組みにより、解決に向けた道筋が見えてきている部分もあります。私たち一人ひとりがこの事に関心を持ち「勇気を持って行動」し、また争うことなく話し合い「輪を以て貴としてなす」そんな精神が問題解決の第一歩になるのではないでしょうか。