第2294回

第2294回例会(2023年6月5日)

2510地区 ロータリー財団奨学生
大橋 直紀 様

 
 2510地区ロータリー財団、地区補助金の奨学金をいただいてイタリアへ留学しております、大橋直紀と申します。本日は例会にお招きいただきありがとうございます。簡単に私のプロフィールや留学生活についてお話させていただきます。
 私は岩見沢東高校卒業の岩見沢出身で、札幌大谷大学音楽学科を卒業、その後一般就職を経て現在イタリア、レッジョエミリアという街の音楽院の声楽科に通っております。元々は音楽療法を専攻していて声楽を始めたのは大学に入ってからですが、ソロでオペラアリアなどを歌うことが楽しく、就職してからもやはり本場で勉強をしたいという思いを捨てきれず退職し、そこから現在へと至っています。
 昨年の6月にイタリアへ渡り、苦悩も多いですが本当に充実した日々を過ごせていると実感しつつ、秋頃より現在居住するレッジョエミリアの音楽院に通い始めました。学校では共に学ぶ仲間や環境に恵まれ、また現地歌劇場にてオペラの舞台にも合唱団員として参加させていただくなど、本当に貴重で得難い経験を多くさせていただいています。
 イタリアに渡って日頃強く感じていることは、それぞれがしっかりと自分の意見を持っていることです。そしてそれぞれがその意見を忌憚なく披露し、それを自然と受け入れられる環境があり、さらにそれを元に切磋しあえることがとても心地よく感じています。日本の環境の中でも周囲と協力し合うことはもちろんありますが、私個人としては周囲と様子を窺い合ってしまったり、萎縮してしまうことも少なくなく、感じたことを怖がることなく素直に表現できる環境にとても居心地の良さを感じています。
 またロータリーで繋げていただいた方々との出会いも、本当に私の留学生活を豊かにしてくれていると強く感じています。例えば同期の奨学生とそれぞれイギリス、スイスとイタリアの情報交換をすることがありますが、違った国・違った分野で学んでいる他の学生たちから自分の持ち得ない話を聞けることで、大いに刺激をもらっています。また現地のロータリークラブの会食に伺った際にも、以前日本から留学に来ていた学生(別の地区から医療系の奨学生がきていたようでした)がいたとお話を伺ったり、現地でのロータリーの取り組みについてお話を伺うなど、こうして出会えていなければ知り得なかったことを沢山聞くことができています。本当に沢山の出会いの下、恵まれた環境で学業に励むことができ、幸せを噛み締めていました。今回こうして手続きの関係で一時帰国をしていますが、一刻も早くまた現地に戻り、勉強に戻ることができるようにと願うばかりです。

 さて、本日歌わせていただいた曲は「フニクリフニクラ」「オーソレミオ」「ポーヴェリフィオーリ(可哀想な花)」の三曲で、耳馴染みのある二曲のカンツォーネに合わせ、短いイタリアの歌曲を歌わせていただきました。特にオーソレミオは、ヴェネツィアのお話と合わせて、現地のイメージも少し味わっていただければと思いながら歌わせていただきましたが、いかがだったでしょうか。また今後も精進して、より皆さんに本場の音楽が届けられるように声を磨いて行きたい所存です。
 今後については、まず近日中に東京のイタリア大使館へとビザの手続きのため訪問する予定でおりまして、無事に審査が通れば6月下旬にイタリアに戻れる見通しでおります。無事に戻った暁には卒業まで現地で学びを深め、現地の歌劇場にて実際に仕事をしてキャリアを積み、いずれは北海道へ戻ってイタリアで学んだ音楽を皆さんに還元できたらと思っています。今後とも末長いお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。