第2254例会

第2254回例会(2022年4月18日)

「札幌市の教育の現状」
札幌市教育委員会 指導主事 アルティみお 氏 卓話

 この度は、大変貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。札幌市教育委員会 学校教育部教育課程担当課の指導主事アルティでございます。今回は、教育委員会として、がん教育等で大変お世話になっております、当クラブの中園先生よりお話をいただきまして、札幌市の教育の現状を皆様の前でお話させていただく運びとなりました。どうぞよろしくお願いします。

 さて、私自身についてですが、もともと中学校の保健体育科教員でございます。指導主事となる前に、青年海外協力隊員としてアフリカのザンビアで約2年間活動するといった経験がございます。本日は、その経緯も含めた自己紹介をさせていただいた後、札幌市の教育の現状について、お伝えしていきたいと思います。

1 自己紹介
○ 私について
 ・ 10 歳でバスケットボールと出会い、スポーツ推薦で高校に進学。
 ・ 大学卒業後、中学校の保健体育科教員に。
 ・ 2013年7月〜2015年3月まで青年海外協力隊に、現職教員特別参加制度で参加。アフリカのザンビアに赴任し、1年9ヶ月間、現地の教育大学で先生のたまごに体育を教える。
 ・ 2019 年4月〜札幌市教育委員会指導主事

○ 青年海外協力隊とは?
 ・ 国際協力機構(JICA)
    日本政府の開発途上国支援を実施する機関
 ・ JICA の事業内容は多岐にわたっているが、その基本は「人を通じた国際協力」

○ なぜ協力隊に行こうと思ったのか
 ・ 先生となって10数年…自分が、せまい世界の中で「かたまって」きている気がした。
 ・ 私は、果たして中学生の目に「なりたい大人」の姿として映っているのか?
 ・ そんな時、職員室の片隅の書籍コーナーで1枚のパンフレットを見つけた。
→「青年海外協力隊 現職教員特別参加制度」?これだ!

2 ザンビアでの活動
○ ザンビアってどこ?
 ・ 世界三大瀑布の一つ「ビクトリアの滝」がある内陸国
 ・ 人々は明るく友好的
 ・ 73 もの民族があるが、内戦等はなく平和な国であることが誇り

○ ザンビアの学校
 ・ 小学校 1年生〜7年生(Grade 1〜7)
 ・ 中学校 8年生、9年生(Grade 8〜9)
 ・ 高 校 10年生〜12年生(Grade 10〜12)
 ・ 大 学 2年制、3年制、4年制

○ ザンビアの体育
 ・ 国の制度では、体育は教育課程に位置付いているが、特に実技はあまり行われていない実情があり、そのことで体育をしっかりと教えられる先生が少ない現状。
→活動の大目標:ザンビアに体育教育を普及させる

○ 配属先の教育大学での活動紹介(写真)

  

○ ザンビアでの学び
 ・ 教育が、人をつくる。
 ・ 自分の価値観は、日本人としてのもの。世界の中の、たった一つ。
 ・ 豊かさとは、何か。

3 札幌市の教育の現状
○ 札幌市の教育が目指す人間像「自立した札幌人」
 ・ 未来に向かって想像的に考え、主体的に行動する人
 ・ 心豊かで自他を尊重し、共に高め合い、支え合う人
 ・ ふるさと札幌を心にもち、国際的な視野で学び続ける人

○ 令和4年度 札幌市の教育の重点の基盤
 ・ 「人間尊重の教育」

○ 令和4年度の包括的重点
⚫︎ さっぽろっ子「学び」のススメの活用
 ・ 札幌市では、さっぽろっ子「学び」のススメを策定しています。これは、子どもと家庭、子どもと学校、学校と家庭をつなぐものです。子どものよさや可能性に目を向けて共感的・肯定的なメッセージを伝え、子どもの成長を促すことを目的とした「まほうのかいわ」で、習慣づくりを呼びかけております。

⚫︎ 「小中一貫した教育」の推進(校種間連携)
 ・ 「小中一貫教育」という言葉をお聞きになったことはございますか?
 ・ 教育基本法や学校教育法の改正により、小学校と中学校の9年間を通した教育の目的や目標が新設され、学習指導要領においても「学校段階間の接続」の必要性が述べられました。
 ・ それらを受けて、札幌市の教育が目指す人間像「自立した札幌人」の実現に向けては、さらなる工夫が必要として、令和2年2月に「小中一貫した教育」基本方針を策定しました。この方針において、令和4年度から全ての市立小中学校で全面実施となりました。
 ・ 札幌市の小中一貫「した」教育には、これまでの札幌市における学校教育をベースに、更なる充実を目指すという願いが込められています。

 ・ 札幌市では、教育の質を高めるための手段であることを理解いただくために、小中一貫「した」教育としました。全市の「共通性」と、地域の「独自性」を生かした、いわば、小中一貫した「多様な」教育としたいという願いです。

 ・ また、下は、先ほどご説明しました札幌市学校教育の重点に示している、「自立した札幌人」の実現に向けて、幼小中高にわたり、各学校段階において目指す子どもの姿です。

 ・ 小中一貫した教育の前には幼児教育があり、先には、高等学校段階があります。幼小中高と各段階を子どもの姿でつなげ、「自立した札幌人」の実現につなげていきたいと考えております。
 ・ 札幌市の「小中一貫した教育」では、9年間の系統性・連続性のある教育の実現を目指し、中学校区を基本単位とした、中学校とその中学校に進学する小学校からなる一つのまとまりをパートナー校として編成しています。
 ・ このパートナー校が共通して推進する取組を上の「二つの柱」に焦点化し、全市どの小中学校においても授業改善・子ども理解を推進していくこととしています。

 ・ また、推進の四つの視点は下のようになっており、子どもの学び、子ども理解、教職員のつながり、そして家庭や地域とのつながりを大切にしたいと考えております。皆様におかれましては、この視点において、ぜひ札幌市の学校教育に御理解と御協力をいただけますと幸いです。

⚫︎ ICT を活用した教育の推進(情報教育)
 ・ 皆様は、昨年度から既に全国の小中学校では一人一台端末が導入されているのをご存知でしょうか。国がGIGA スクール構想というものを計画していたところ、このコロナ禍で計画は驚異のスピードで前倒しされたのです。
 ・ 札幌市においても、昨年度の1年間で様々な整備がなされ、学校ではかなり活用が進んでおります。例えば話合い活動やグループワークといった、コロナ禍においても協働的な学びが可能となります。

 ・ 小中一貫した教育の視点からいうと、例えば、複数の小学校から一つの中学校に入学する場合、小学校同士で活用の仕方が共有されていると、中学校での学びも効果的に進められます。また、中学校は、小学校でどのように活用されているかを知ることで、小学校での学びの上に中学校での学びを積み上げることができます。
 ・ このように、情報活用能力においても、パートナー校同士での情報共有は、学びのつながりに大変有効です。

本日は、御静聴ありがとうございました。今後とも札幌市の教育に御理解と御協力をよろしくお願いします。

(原文のまま掲載)