第2196回例会

第2196回例会(2020年1月20日)

「Happy Wedding! ~新郎新婦の代弁者~」
武田 奈津子 氏

現在、札幌市内でブライダルMC=結婚式の司会をメインに喋ることを生業とさせて頂いております武田奈津子と申します。よろしくお願い致します。
私の卓話のテーマ「ブライダルMC披露宴を大きく左右する存在HappyWedding!~新郎新婦の代弁者~」ということでお話をさせて頂きます。
結婚式というのは幸せオーラに包まれた新郎新婦にとって一生に一度の大きなセレモニーです。
昨今は新郎新婦が自分たちの結婚式を演出し、ゲストをもてなすというのが主流となっています。
ゲスト参加型のゲームや抽選会、ゲストへのサプライズインタビュー、新郎新婦がお互いに用意したサプライズセレモニー、新郎新婦から両親へ向けたサプライズセレモニーなど、それはまるで2時間半のライブショーのようでもあります。
そのため司会者も淡々と進行をこなすだけ…というわけにはいきません。
どうすればお二人のイメージに合ったセレモニーにすることができるのか、お二人はもちろん、どうすれば参列しているゲストの皆様の心に残るウエディングパーティにすることができるのか。臨機応変に対応する能力を備え、緩急を操り、笑いや感動を添える言葉を紡ぎ出す、それが今のブライダルMCの役割、私のMCスタイルだと思っております。

私は以前、テレビ・ラジオの放送業界で仕事をしておりました。
生放送の裏方、タイムキーパーとして番組制作のスタッフもしましたし、FMラジオのパーソナリティやテレビのグルメリポーターと表側の仕事も経験しております。
その時に教えられた事。例えば、民間放送局ですからCMは必須です。生放送を時間内に収め、CMを飛ばさないようにするためにはどこをどう遣り繰りするか、咄嗟の判断力を求められます。
また「美味しいは」誰でも言える。そうじゃない美味しさを伝える言葉選びや、取材先の初対面の方からいかに印象的な言葉を短時間で引き出すか…など、度胸も含め本当に多くの事を学びました。
ちなみに、新郎新婦とのお打ち合わせは一度しかありません。
たった1回約1時間強のお打ち合わせの中で、お二人の人柄、どんなセレモニーにしたいのかというのを汲み取らなければなりません。かつて放送業界で学んだこと、それが今の仕事にも繋がっているんだと常々感じております。
ではここから少し、具体的なお話をさせて頂きます。
『結婚式』という大きな枠の中には、挙式と披露宴があります。神宮で挙げる神前式や教会で挙げるキリスト教式、お寺で挙げる仏前式もあります。
そんな中、人前結婚式というのをご存知でしょうか?宗教への拘りなく、参列者全員を立会人とする中で新郎新婦が誓いを立てる…という人前式スタイルが増えていまして、式の進行もMCが行います。
新郎入場・お父様と新婦入場・誓いの言葉・指輪交換・結婚証明書へサイン・承認の拍手・退場というのが基本の流れです。
ただ、厳しい決まりはありませんのでこの中に色々なセレモニーを自由に組み込んで進行していきます。この機会に、これまで印象に残っている披露宴を思い出してみました。
エンターテイメントに優れた自己演出をされたのが矢沢永吉の大ファンという新郎。
まず控え室から披露宴会場に入るまでの新郎の様子を生カメラ=ライブ映像で会場のスクリーンに映し出し新郎一人で入場。
永ちゃんの曲をフルコーラスで熱唱後、会場内のカーテンが開いて新婦を迎えに行きやっと新郎新婦の二人が揃う…冒頭の約20分間、MCの私は一言もコメントなしという、10数年のキャリアの中で、初めての経験でした。
そして初めての経験といえば、昨年の秋、初めてLGBTのお二人の結婚式を担当させて頂きました。
ご両親はもちろん、学生時代のご友人の皆さんにも囲まれた心から祝福された最も忘れがたい温かい人前結婚式と披露宴でした。
担当プランナーからも「新郎新婦」といつも通りのご紹介で大丈夫です…ということでお打合せをさせて頂きました。
共に穏やかでお互いを本当に信頼し合っている様子がお二人から伝わってきました。結婚式・披露宴を迎えるまでには、お二人の計り知れない苦悩と決意、両家ご家族の協力があったということを当日、お二人の言葉でしっかりとゲストの皆様へ伝えていたことがとても印象に残っています。
このお二人とのご縁を頂いて改めて感じたことがあります。

私がこの仕事を続けていくにあたり、心掛けなければいけない3つの心。
1真摯な心で接する…裏表なくその状況合わせ・新郎新婦に寄り添う
2誠実な心で振舞う…現場では偽りのない真心を持って振舞う
3純真な心で働く…邪心がなく清らかな心で働くもちろんビジネスとしてブライダル業界で仕事をしていますが、一生に一度の結婚式を迎えるお二人に対して、決してビジネスライクになってはいけないということです。
『真摯な心・誠実な心・純真な心』
この3つの心を持ってこれから出会えるご縁を楽しみにHappyWedding!~新郎新婦の代弁者~として幸せのお手伝いをしていきたいと思います。
どうか皆様も今後、披露宴に参列される機会がありましたら、あの時卓話の中でこんな事言ってたなとちょっとでも思い出して頂き、お二人の幸せオーラに包まれながら、パーティを積極的に楽しんで頂けたらと思います。

皆様、つたない卓話ではありましたがご静聴ありがとうございました。