第2069回例会

第2069回例会 (2016年9月26日)


新会員卓話「私の生業について」
鰹谷祐一 会員

①私の生い立ち
 昭和46年10 月札幌生まれの札幌育ちです。小学校から少年野球とテニスを始め、中学校にあがり迷ったあげくテニス部に入り、中学・高校とテニスに打ち込んでいました。中学校の時は全道大会まで進む選手でしたが、高校に入り部活とバイト(おこのみ焼)の掛け持ちをしまして、そこで一緒に働いていた3つ上のお姉さんに夢中になってしまい、部活は疎かとなり、当然全道大会は夢のまた夢に・・・支部大会すら勝てない選手になってしまいました。それでも仲間の助けもあり3 年間やりきることができました。お粗末ながら、これが私のおバカな学生時代です。

②私の生業「お墓」
 高校卒業後、サラリーマンを4 ヶ月ほどやっていましたが、その会社に馴染めずに退職。死んだ親父の元同期の知人(後に私の親方になる方)が石材工事業を営んでおり、アルバイトでいいから来てくれと頼まれ、今に至っております。

~ここからが皆さんが聞きたい所だと思います~

 まず1つ目が「今のお墓事情」です。ちょっと前だったら、埋葬と言えばお墓か納骨堂に納めていましたが、近年は海洋散骨や樹木葬、合葬墓、夫婦墓、旦那の墓には入りたくないからと言う友達同士で入る墓友など、色々な選択肢があります。そこで問題になってくるのが「お墓じまい」です。継承者がいない、墓守りしてくれる親戚がいなくなって田舎にあるお墓が心配だ。などの相談が激増してきたのが、今のお墓の現状です。

③家財整理(遺品整理、生前整理)
 お墓を建てる仕事がどんどん減ってきて、私達も何か新しいことをやらないといけないな・・・と言っていた時に、こんな相談を貰いました。
 これが2つ目の仕事になります「家財整理(遺品整理、生前整理)」です。以前、私の会社でお墓を建てたお客様から「独身の義兄の家の整理を手伝って欲しい」と言う電話を頂きました。俗に言う『遺品のカタヅケ処分』です。そうこうしている内に、又同じ様な相談を貰いました。この方も10数年前にお墓を建てた老夫婦で、「夫婦揃ってシルバーマンションに引っ越すことになったから手伝って欲しい」と言うことでした。こちらは『生前のカタヅケ処分』でした。そんなことが続き、本格的に始めることに決め現在に至っています。
 この仕事を始めてみて、こんな問題にぶつかりました。『孤独死』です。孤独死は自然死ですからしょうがない事ですが、その発見が何週間、何ヶ月と遅れてしまうこともあり、御遺体が腐敗し、室内は想像を絶する様な状態になっている事もあり、問題になっています。ただでさえ人が亡くなり悲しいことなのに、部屋の中を現状復旧もしなくてはならないという現実が待っているのです。遺族では到底出来ないと思います。息子、娘が遠くで暮らしている、親戚が近くにいない。今の時代の現実です。私は今、そういった「孤独死を待っている会社」ではなく、「孤独死を少しでも無くす会社」にしなければいけないと思い、中瀬会員、瀧澤会員のお力も借り、『終活』をサポート出来る会社になろうと頑張っているところです。まだまだ暗中模索ではありますが、高齢者が少しでも安心して暮らせる世の中に出来るよう微力でありますが頑張ろうと思っています。

④これからの展望
 色々な相談をいただくことで、今の高齢者、高齢の親を持つ方の悩みが少しずつ見えてきました。これらの経験を生かして、私を頼ってきて下さる方のお力になりたいと思いますし、何より高齢者の生活が今より少しでも良くなるよう、仲間と一緒に声を上げていきたいと思っております。

 本日はこのような卓話のお時間を頂き有難う御座いました。