第2250回例会

第2250回例会(2022年3月14日)

「札幌北ロータリークラブ スリランカ子ども基金」
栗原 清昭 会員 卓話
 
「札幌北ロータリークラブスリランカ子ども基金」は2014年に設立され、スリランカ南部の小中学校における健康増進や教育効果促進に寄与するための事業を実施しております。

基金設立までの経緯
1998年以来、小林博会員(国際ロータリー第2510地区パストガバナー)はスリランカにおける保健医療の向上と学校環境の改善に取り組んでこられました。スリランカで心筋梗塞、がん、脳血管障害などの生活習慣病が多発していることから、一次予防としての「生活習慣を変える」方策についてスリランカ政府などに働きかけをされておりました。しかしながら、大人の生活習慣を変えることの難しさに直面し、小林会員が理事長を務める札幌がんセミナーとJICAが共同して子どもたちを対象とした「学校主導の健康増進」事業に2006年から着手されました。
スリランカ南部の小中学校4校をモデル校としてヘルスキャンプ、ワークショップ、ヘルスセミナーを開催するなどし、子供たちが自ら考え自主自立のやる気を起こすことによって家庭や地域全体を変えていくことを目的とする活動です。この活動の成果としては「子供たちが自主的に、自発的に考え、行動するようになった」、「学校の先生が健康のことに関心を持つようになった」、「親や地域が健康以外のことについても学校と一体になってコミュニティ活動を支えるようになった」などが挙げられます。

スリランカ子ども基金の設立と事業内容
2000年以降札幌北RC会員がスリランカを訪問し、コロンボRC(2019年姉妹クラブ締結)からの依頼に応じて中古ベッド、内視鏡カメラ、眼科診断用スリットランプなど医療機器類を寄贈して参りました。2014年に小林会員からクラブに800万スリランカルピー(約570万円)のご寄付をいただき、これを基に「札幌北ロータリークラブ スリランカ子ども基金」が設立されました。この基金をコロンボRCに預託し、当地で毎年生み出される利息凡そ80万ルピー(スリランカでは現在110%前後の年利)を活用して「学校主導の健康増進」に役立てることとしました。
これまでスリランカ南部の7校に対し子どもたちの健康増進や教育効果促進を目的として「インセンティブファンド(激励金)」を贈呈しております。

「インセンティブファンド」は、健康増進や教育効果促進という目標の範囲内であればその使途は問わず、それぞれの学校の子ども達の自主判断に任せます。その効果として子ども達に自主自立の気持ちが芽生え、同時にそのように成長する子ども達の姿を見て親が心を動かし、やがて地域全体が変わっていくことを期待するものです。

「インセンティブファンド」の活用例
・食生活の改善による生活習慣病予防のための学習会
・月1回各家庭での糖分・塩分・油の摂取量調査
・拡声器活用による地域向け健康増進に関する情報提供
・野菜園をつくり、緑黄色野菜と健康との関係について学習
・家庭に向けてニューズレターの定期発行
・タバコ、飲酒、デング熱、メンタルヘルスなどの自由研究
・学校の施設環境改善

現状と課題
全世界で猛威を振るうコロナ禍は事業遂行に大きな影響を与えております。長期に亘る休校措置や国民の外出制限などの対策によって事業は中止しております。コロナ禍が収束し早期の平常化を願うばかりです。
また、これまでの経験のなかで感じることは、「現地における本事業の目的に対する理解」を得ることが難しいということです。子供たちの自主的な行動を促進するため中心的役割を担う教員の養成が急務です。
スリランカ子ども基金に関する詳しい内容は、小林会員が今年2月に上梓された「スリランカ20年」やクラブHPのトップページにリンクがある「ロータリーの国際奉仕から学んだこと」(動画)をご参照ください。
 

「新型コロナ関連の支援事業について」
プーワナット・スパープクン 会員 卓話

札幌北RCからの多くの支援事業がありますが、新型コロナ関連の支援事業についてお話させて頂きます。
まずはサバイバルボックス支援。中にはWASH、CPRの教育書、非常食、常備薬、衛生用品が入れられます。2014ー2015からグローバルで支援してきた職業訓練生がデザイン、作成してくれたバッグです。作成する側にも訓練の成果の実践を披露する貴重な機会となっています。現在も職業訓練校はコロナの影響で休校中と聞いていますが、ロータリーの職業訓練事業の学生さんたちは、震災の支援等もTEAM で実践してくれています。財団の職業訓練事業の際に設置したミシンを使い、支援バッグを作成してくれています。袋詰めをベトナムの職業訓練生も手伝ってくれました。サバイバルボックスについては、なんとかたくさんの方々に直接届けることができました。
次は、ポンピサイエリア「緊急支援 BOX」札幌北RCから10万円の支援金を御寄付を頂き、急激なコロナの感染拡大で大変な生活を、200個程のサバイバルBOXで支援して頂きました。サバイバルボックス支援については、感染拡大でポンピサイエリアがロックダウン中の為、地元の自治体にお願いをして困っている方々に届けて頂きました。
サバイバルボックスで、多くの方達に支援が届けられました。ボックスの中には、お米や調味料の食料品や歯磨き粉、石鹸、タオルなどが入っています。そして、「タイ東北の友人の皆様へ」の手紙をBOXに入れました。タイ語翻訳をさせていただきました。県知事にこの手紙を渡します。このように手紙をBOXの中に入れて、応援のメッセージを届けて頂きました。
ロックダウン中の集落に、地元の自治体からボックスを届けてくださった様子です。地元のテレビニュースでも、数回取り上げられました。

さて、50周年での事業のひとつの国際絵画コンクール事業を、林 里紅会員を中心に実施頂きました。タイの子供達だけでなく、紛争に苦しむミャンマーの孤児の子供達にも絵を描いて頂きました。
このように、タイ東北だけでなく、周辺のミャンマー、ベトナム等の子供達にもご支援の輪が拡がっています。
最後にベトナムからの訓練生等の動画をご覧ください。ありがとうございました。