第2209回例会

第2209回例会(2020年10月5日)

「医療器械コンサルタントという仕事について」
多田良馬 会員

昨年の12月に札幌北ロータリークラブにお世話になることになってから、もう少しで1年になります。
少しずつではありますが、馴染めてきているのではないかと感じております。引き続きよろしくお願い致します。
私の職業は、医療器械コンサルタント業です。
多くの方々がこの医療器械コンサルタルトなる職業について、馴染みがないと思われますので、これについてお話させていただきたく思います。
日本の病院の数は約9,000施設あり、病院には各診療科があり、お医者様がいらっしゃり、看護師さんや薬剤師さんなどの医療従事者の方々がいらっしゃいます。
そして医療器械も必ず病院にあります。
医療器械は、大きなものですとCTやMRI、小さなものですとピンセットや針や糸、等々全部含めて医療器械です。
私は整形外科分野の医療器械を主に取り扱っております。
日本のエネルギーの自給率は約12%、食料自給率は約37%です。
医療器械の自給率は、数字の取り方があるのですが、約40%といわれており、整形外科分野の自給率は約10%です。
医療器械もエネルギーや食糧と同じくらい輸入に頼っていることになります。
また、日本の医療器械メーカーの製品が世界で使用されることは殆どなく、国際競争力が弱いと言わざるを得ません。
軟性鏡の分野で、世界の約80%の占拠率を保持しているメーカーもありますが、そのメーカーですら世界の医療器械メーカー売上ランキングは20位くらいです。
トップのメーカーの売上高の約1/8です。
そのような状況下で、微力ながら日本の医療器械分野に貢献できるようにと仕事をしています。
私は起業する前は、アメリカを本社とする整形外科器械メーカーにおりました。
そこでは主に人工関節を取り扱う部署におりました。
人工関節は、股関節や膝関節、肩関節などがあります。
そのほとんどが欧米で開発されたものでした。日本人の生活様式(和式トイレ、お風呂、正座など)からして、欧米人よりも関節の可動域を多く求められます。
しかしながらその生活様式にあった人工関節は存在しなかったのです。
20年くらい前の話ですが、正座しても大丈夫な人工膝関節を作ろうというプロジェクトの一員として、日本の著名な整形外科医とそれを作りました。
その人工膝関節は世界で一番使用された人工膝関節の一つになりました。
その時の経験が、医療器械をデザインしてみたいという思いにつながりました。
その後、日本の商社でヘルスケア部門の事業を立ち上げる仕事をお手伝いした後、起業し、現在に至っております。
今は、日本の医療メーカーとアドバイザリー契約をし、いくつかの医療器械の開発のお手伝いをしています。
来年から発売される製品がたくさんありますので、忙しくなりそうです。

 

「地域金融機関として」
沖田淳也会員

私は日高信用金庫に地元の高校を卒業後に就職し、クビにもされず28年間勤めることができております。
札幌においての日高信用金庫は馴染みの薄い金融機関だと思いますので、簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。
当金庫は、本店を日高管内の浦河町に構え、日高・十勝南部の9町、胆振・石狩の7市・2町を営業区域とし、8店舗で営業しております。
令和2年3月決算における業績としましては、預金残高1,320億円、貸出金残高725万円で小さな金融機関です。
規模感としましては、道内の信用金庫で一番規模が大きい北海道信用金庫の10分の1程度となっており、道内には20信用金庫がございますが、日高信用金庫は下から1、2番目の位置づけとなっております。
地元の日高管内では、預金・貸出金の地区内シェアは40%前後で、地域金融機関としての一定の役割を果たしており、来年4月には創立100周年を迎えます。
地元の基幹産業は、競走馬となるサラブレッドの軽種馬生産業や昆布・鮭漁などの漁業が中心で、近年はミニトマトやイチゴ生産の農業も盛んに行われ、取引先には一昨年のダービー馬を輩出した牧場や知名度の高い「三石昆布」、ブランド鮭「銀聖」などの水産加工会社もあります。
日高産の製品を買って頂けるとありがたく思います。又、競走馬にご興味がありましたら、成績の保証はできませんが良い牧場を紹介します。
札幌市内には14の信用金庫があり、北海道信用金庫以外は全て地方に本店を構える信用金庫となります。
ほとんどの信用金庫が地元の人口減少や少子高齢化に危機感をもって札幌に進出してきております。
日高信用金庫は、平成19年に札幌支店を開設し、収入源となる全店の貸出金量の半分以上が札幌支店の取り扱いとなっております。
よって、札幌で稼いで地元に還元しているという構図で、極端に言いますと地方の信用金庫は札幌に進出しなければ経営が厳しい実情にあるということになります。
今年2月、新型コロナウイルス感染症拡大の金融支援対策として、各種の特別融資制度が制定され、全国的にも10兆円規模の融資が行われています。
当金庫としましても緊急性を鑑み、数十億円もの融資を行っております。
各事業者が経営難に陥っている中、皮肉なことに金融機関は業績を伸ばしているのが実情です。
コロナ関連資金については、年内目途となっており、その間は資金を必要とする事業者に対して積極的に対応していこうと考えております。
これまでも地域金融機関として、地域に寄り添った取り組みを念頭に実践して参りましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の経済的な影響は益々深刻なものとなっており、今後においてはより一層の資金供給や経営アドバイスなど地域貢献を果たせる人材育成が重要と考えています。
職場での地域貢献としましては、地域の奉仕活動やイベント参加などに留まっておりますが、その経験を生かして幅広い社会貢献に努めていければと考えています。
札幌北ロータリークラブに入会し、早くも2ヶ月となりました。
正直言いますと、まだまだ緊張の日々を送っている状況にありまして、早く会員の皆さまと仲良く深くお話ができるようになりたいと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。