第2205回例会

第2205回例会(2020年8月31日)

「コロナ禍と新しい旅への挑戦」
斉藤 昌一 会長

今年は、オリンピック開催で特別な1年になり、仕事は今までの営業成果が一番あらわれる年と思っておりました。
しかし、1月末に地区国際奉仕・VTT委員会のタイ・カンボジア検証ツアーに参加した際に、カンボジアのホテルに入るときにコロナ感染症の対策として非接触型の体温計で私たちの体温のチェックを受けました。
2月の中旬には、弊社で予定していた金融機関の沖縄旅行が、コロナ感染症の心配で中止になりました。
その後、3月にはヨーロッパ研修旅行、卒業旅行、北欧視察、大学での国際会議が次々と中止になり、4月には8月までの全ての団体旅行、記念旅行がキャンセルになりました。
その中には、ロタリーのハワイ国際大会など、1年前、2年前より準備をしていたものも多く入っていました。
観光業界でこれまでに大変なことは過去にいくつもありました。
例えば、1989年の中国の天安門事件、1991年の湾岸戦争、1995年阪神淡路大震災、バブル崩壊と銀行の破綻、2001年の米国の9.11同時
多発テロ、鳥インフルエンザ、2011年東日本大震災、
2016年熊本地震などありました。どれも、大変な出来事事態でしたが、今回は全く初めての事態です。
今回のケースでは、返金されたものはすべてお客様にお返しいたしました。
弊社には何も残りませんでしたので、会社は大損失で積み重ねてきた時間や、エネルギーも全て失われてしまいました。
その後、道や国の緊急事態宣言、日常生活で不要不急の外出は控えるようになり、海外では入国拒否、国際航空路線の運休、出入国ではPCR検査と14日間の行動制限、国内航空路線の欠航が今も続いております。
もともと旅行は、日常生活と違う変化を求めて、一歩家を出たところから始まるものですが、日常生活に変化がおこり、外出を控えることになるということは、私たちの仕事にとって全く手も足も出ない状況です。
弊社は創立43年、私が代表になって25年ですが、現在の売上げで海外旅行はありません。
国内旅行は団体がゼロ、個人は通常の2割があるかどうかです。
トータルすると9割以上減が今も続いています。また、日本からハワイへゴルフプレーのお客様を毎月2,000名の総客を弊社で30年間続けていますが、5月からはゼロで1人もいません。
今回の事態を受けて私がしたことは、国や道、市の助成を利用することについて考え、持続化給付金、雇用助成金、金融機関の貸付などの利用でした。
この様な時に、ありがたいことに、いろいろな方にお話を聞くことはできました。
クラブでは大浦会員、鈴木会員、吉井会員がどのように対処されているとか、地区では滝川RCの戎谷社長にもシービーツアーズさんではどうされているのかお聞きしました。
ロータリのご縁に感謝しております。
金融関係では長年いくつかの親睦会の旅行をした関係もあり銀行、信金、協同組合などすぐにお見舞いやご提案を下さりました。
私は常に、試練は己を強くすると思い、今まで立ち向かってきたつもりですが、今回の試練はいつまで続くのか、私が強くなるまで続くのでしょうか。
そしてまた、家族にも大きな影響がありました。息子が3月に大学を卒業して北海道がんセンターの薬剤部に就職しましたが、4月16日に院内感染が発生してしまいましたので、私はすぐに家族から一人離れて2カ月のホテル生活を送りました。
息子が在学中は、蓑輪会員の卒業された大学であり、また、佐々木仕さんの息子さんが先輩でしたので、お二人からいろいろご相談にのっていただくことも多くありました。
これも、ロータリーのご縁によるものと感謝しております。
また、残念なことに、私のロータリー推薦者である福田十太郎さんがお亡くなりになりました。
私とは30歳離れていて、私が60歳、福田さんが90歳です。
30年前、福田さんの60歳の還暦のお祝いをしたときに、私が還暦の年に一緒にお祝いをする予定をしていました。
今年がその時でしたが叶いませんでした。
今までお話ししたことは、とても大変で残念なことなのですが、思いがけないこともありました。
仕事が大きく減ったため時間が出来たので、仕事をリタイアしてからしようと思っていたことを、この機会にしようと思いつきました。
まずは、健康を見直して次に備えようと、朝起きて、腕立て伏せ、腹筋、柔軟体操、散歩、ラジオや音楽を聴いて出勤をしたり、2カ月間はホテル生活でしたが、自炊の設備もありましたので、スーパーへ買い物に行って、卵、牛乳、食パンの種類や金額に関心したり、料理、洗濯をしたり、自炊は30年以上前のことで最近は何一つしていませんでしたので、洗濯機はフタを閉じないと水が出ないとわかり驚いたり、電子レンジは容器が解けないのか心配したり、今までと違い時間がゆっくり流れ、日常生活が私にとっては新しい発見の旅になりました。
今までは、どちらかというと私にとって旅行は日常生活でしたので、家庭の生活に入ることが、私の外出になり「わくわくする旅」の存在になりました。
現在の仕事での、私とお客様との関係は、20年、30年、40年近い方が多いので、昔の旅行の写真を見直して、懐かしい写真を届けたり、なかなかお会い出来なかっ方を回り、ゆっくりお話しをしたりしています。
また、最近は、どうみん割、GOTOTRAVELなどを利用して、お客様と旅行を組み立てております。
最後に、旅行業は平和産業ですので、コロナ禍が1日も早く収束することを願っています。
幸い私の家族は元気で社員も何も変わりありません。お客様からも多くのお声がけをいただいております。
ロータリの皆さんとも今まで通りさせていただいています。
私は、まだ何も失ってはおりません。そのことに、感謝して、新しい日常と向き合い、新しい旅への挑戦をしていきたいと思っております。