第3回クラブフォーラム 札幌北RCの国際奉仕活動

(2019年2月18日)


『 クラブの国際奉仕活動 』
竹原 巖 会員

北クラブの国際奉仕活動についてお話しするよう依頼がありましたので、私の記憶にある範囲でご紹介いたします。
私はクラブに入会して26年ですが、クラブの歴史は49年になりますので、入会以前の活動については、先輩会員からの聞き取りや創立記念誌などでしか知りえませんが、創立から25年ほど特筆すべき国際奉仕というのは行われていなかったようです。1994~1995年度に小林先生がクラブ会長をされていた年度に、オーストラリアのメルボルン近くにあるウェルビーRCと、当クラブが友好クラブを締結いたしました。その後、ウェルビーRCから「ウェルビー市役所の前に日本庭園を造りたい」と当クラブに協力要請があり、当クラブの城木会員が技術者を同行して現地のロータリアンと日本庭園を造り、市に寄贈したのがクラブの国際奉仕第1号だと思います。2002~2003年度小林先生がガバナーのとき、オーストラリアのブリスベンで国際大会があり、私も先生に同行してウェルビー市を訪問、日本庭園を見てまいりました。結婚式後の記念撮影場所等に使われ、市民の皆さんに愛され、親しまれる公園として活用されておりました。その他、地区の国際奉仕委員会のなかの小委員会である世界社会奉仕(WCS)活動に協力する形で、タイの子どもたちに教材などを贈呈する奉仕もありました。
2000年12月に、小林先生の呼びかけでスリランカを訪問いたしました。訪問後の2001年より日本の病院で入替え等により産業廃棄物として処分される医療用ベッドをスリランカに贈る活動をスタートさせました。地区内の千歳、室蘭、札幌等の他クラブからも賛同いただき活動に参加していただきました。この活動は新聞各社で取り上げられ、ロータリーのみならずライオンズクラブからも問い合わせがあり、活動の輪が広がりました。この活動が、小林先生が個人的に学校への教育・健康衛生支援活動を始められる起点となり、「スリランカ子ども基金」が設立され現在まで継続されている国際奉仕活動となっております。
また、当クラブでは出村会員が中心となりタイへの支援活動にも当クラブは積極的に参加しておりますので、詳細は担当の方よりお聞きください。
そして、中園会員が長年にわたってフィリピンへの医療支援活動を行なっておられますので、詳細は中園先生から報告していただきますが、昨年同行させて頂いた所感を私からも簡単にお話いたします。日程は11月5日(月)から11月9日(金)までの4泊5日で、医療活動を実施したのは、フィリピンの首都マニラから北に90kmほど行った「アンヘレス市」と隣町の「マバラカット市」です。
医療奉仕は、6日から8日までの3日間、6日は9名、7日は12名、8日は10名、延べ30名の寝たきりの老人や子どもたちの家庭を訪ね、診察を行い、ご家族に治療、ケアーのアドバイスをするとともに、紙おむつや栄養剤などを患者さんに置いて参りました。病気の症状などの詳しいことは中園先生から説明していただきますが、患者さんは皆、日本から来たお医者さんに初めは緊張気味でしたが、診察が進むにつれて中園先生のフレンドリーで親切なアドバイスによって、硬さもほぐれ明るい笑顔となったのが印象的でした。
今回の活動に参加してくださったのは、フィリピンの窓口であるマバラカットクラークRCの鬼頭さんはじめ、ロータリアン6名、ローターアクト会員2名、ヘルスワーカー9名の皆さんでした。
鬼頭会員には5日間にわたり、空港・活動・観光などの送迎、ご自宅での夕食会、会員との交流夕食会など、ご家族総出でお世話していただき心からの感謝です。近いうちに札幌・北クラブを訪問するよう要請しましたので、その節は皆さんで歓迎し国際奉仕の輪を広げたいと思っております。
5日間にわたり中園先生とフィリピンにご一緒しましたので、先生の国際奉仕の活動の一端や、フィリピンの状況について学んだことをご紹介いたします。中園会員は1992年守口RC会員時代に、フィリピンの「バホロボRC」との共同で、ネグロス島にて医療奉仕を開始され、2003年よりアンヘレス市に活動の拠点を移され、2012年神戸RC時代にWCS(世界社会奉仕)活動の一端として、鬼頭氏の提案でマバラカット市の医療活動を実施し今日に至っております。1995年には北大に在学中のご長男を伴い一緒に、医療奉仕活動したことによって、息子さんは医学への道を志したようです。
先生は30数年の長きにわたり海外の医療奉仕活動に携わってこられたことに称賛の拍手をお贈りしたいと思います。

 

『フィリピンでの医療奉仕活動の報告』
中園 直樹 会員

昨年11月5−9日に竹原会員と訪問したマバラカットクラークRC(RCMC)と共同で行う恒例の「寝たきり患者宅への訪問医療」活動の様子をRCMCのホームページにあるユーチューブの動画を見ていただきながら(https://youtu.be/dyJAz26x5lU)現地の医療状況や生活状況を解説しながら紹介した。
この活動は中園がJICA任務で中断し2012−14年を除き10年近くRCMCと継続しているもので、現地の行政組織のバランガイヘルスワーカーを巻き込んだ地域社会奉仕活動である。

 

『スリランカ子ども基金2019 訪問報告』
栗原 清昭 会員

札幌北ロータリークラブ「スリランカ子ども基金」は2014年に設立され、スリランカ南部の小中学校における健康増進や教育効果促進に寄与するための事業を実施しております。
2019年2月11日、竹原巖会員を団長とする総勢11名とコロンボロータリークラブからクムドウ会長ほか5名がスリランカ南部の小中学校2校を訪問しました。

・スリランカ子ども基金とは…
1998年以来、小林博会員(国際ロータリー第2510地区パストガバナー)はスリランカにおける保健医療の向上と学校環境の改善に取り組んでこられました。小林会員は総額800万スリランカルピー(約570万円)を当クラブに寄付され、これを基にスリランカ子ども基金は設立されました。
当クラブはこの基金をスリランカのコロンボロータリクラブに預託し、当地で毎年生み出される利息凡そ90万ルピー(スリランカでは現在12%前後の年利)を活用して学校環境の改善に役立てることといたしました。これまでスリランカ南部の7校に対し子どもたちの健康増進や教育効果促進を目的として、1校あたり年間5万ルピーの「インセンティブファンド」を贈呈しており、現在は今回訪問した2校が対象となっています。
「インセンティブファンド」は、健康増進や教育効果促進という目標の範囲内であればその使途は問わず、それぞれの学校の子ども達の自主判断に任せます。その効果として子ども達に自主自立の気持ちが芽生え、同時にそのように成長する子ども達の姿を見て親が心を動かし、やがて地域全体が変わっていくことを期待するものです。
School1(MuruthawelaVidyalaya) 

食生活の改善による生活習慣病予防のための事業を実践しています。地域の保健機関の方を招き、糖分、塩分、油の摂取量に関する学習会を開催した後、月1回各家庭での調査を実施しております。なかには5人家族で一か月砂糖7kg、塩4kgを摂取している家庭もありました。週3回、朝8時から15分間ほど拡声器を使用して地域向けに健康増進に関する情報を流しています。また、BMIスケールを活用して体重管理をおこなっております。
School2(H/GetamannasouthM.V.)
インセンティブファンドを活用して校内に野菜園をつくりました。特に緑黄色野菜に含まれるビタミンと健康との関係について学習しています。こちらの学校でも糖分、塩分、油の摂取量に関する家庭調査を実施しており、家庭に向けてニューズレターを定期的に発行しております。

今回訪問の際には子どもたち数名による自由研究発表がありました。
タバコ、飲酒、デング熱、メンタルヘルスなどその分野は多岐に亘っておりました。

 

訪問を終えて
インセンティブファンドは物品や設備を寄贈するものではなく、子ども達の自主判断に任せるものであり、自主自立の意識を育むことを最も大きな目的としています。2018年の訪問時には、この趣旨目的が各学校になかなか伝わっていないと感じられました。が、今回訪問した2校は本来の目的に沿った活動になりつつあると確信できました。

・コロンボロータリークラブとの連携今回初めてコロンボRCの会長、会長エレクト、直前会長に現地訪問いただきました。インセンティブファンドの事業目的について理解いただけたことは大きな前進であったと思います。現在の対象校をモデルにコロンボRC独自で他の学校にも広げたいとのお話もありました。今後ともコロンボRCとの連携を深めていきたいと思います。

「スリランカ子ども基金」は当クラブ独自の国際奉仕活動であり、スリランカの子どもたちの健康増進や教育環境向上、さらには国際親善に寄与する極めて価値の高い事業です。
多くの会員の皆さまに参画していただくことを願っております。 

 

委員長 大浦 隆司

本日のクラブフォーラムは国際奉仕委員会担当となります。

○竹原会員より
北クラブの国際奉仕の歴史歴史を知る事から理解が生まれる

○中園会員より
フィリピンの検証と状況日本とフィリピンの歴史からの、中園会員の想いも語られました。

○栗原会員より
スリランカ子ども基金の検証報告今回、スリランカに参加された会員の皆様より感想を頂戴致しました。
実際に出向き、現地を見て、現地の方と語らないと解らないと何も理解できない。と貴重な感想もありました。

○大浦より1月の2510地区タイ検証ツアーの報告
クリーンウォーター事業
ウォーターメンテナンス事業
図書館事業
VTT事業(理容.縫製)奨学金事業に触れ報告しました。北クラブからの国際奉仕事業の予算5万円はタイ・ノンカイのウォーター事業に使用された事の報告も合わせて行いました。
今回のフォーラムでは、歴史や文化を知る事でその国に対して理解を深めていく事、継続してゆく事が国際平和の第一歩になると改めて思いました。
短い時間に無理やり貴重な報告をまとめていただきました、竹原会員、中園会員、栗原会員に感謝申し上げます。